
こんにちは、デザイナーでアーティストのマキチャリックスです!
突然ですが「アートってなんだろう?」
こんな疑問を持ったことはありませんか?
「広辞苑」によると「アート」とは、「芸術」とほぼ同義として扱われています。

かなり幅が広いですね。
「学生の頃、美術の成績がよくなかった自分にはアートなんて無理」
「アート作品は絵が上手な人たちが制作するものでしょ」
そう思っている方も少なくないのではないでしょうか。
しかし、ちょっと考え方が変わるかもしれません。
今回はアクリル絵の具を使った誰にでも簡単にできるアートを紹介したいと思います。
アクリル絵の具でできる簡単アート
アクリル絵の具でできる簡単なアートってどんなイメージしょうか?
一般的にアクリル絵の具で描く絵といえば
「キャンバスや紙に筆を使って物や景色や動物、人物などを描く」
そんなイメージが多いかもしれません。
アートには様々な表現や技法がありますが、ここでは3つ紹介したいと思います。
「これなら自分にもできそう!」って思えたら、ぜひチャレンジしてみてくださいね!
簡単アート① ポーリングアート
1つめは「ポーリングアート」です。
ポーリングアートとは、メディウムで薄めた絵の具をキャンバスなどの支持体に垂らして、傾けたりストローなどで吹いて偶然できる模様を楽しむ技法です。
簡単アート② テクスチャーアート
2つ目は「テクスチャーアート」です。
テクスチャーアートとは、モデリングペーストやメディウムなどを使って、キャンバスに厚みを出したり、凹凸を作って表現する技法です。
簡単アート③ ファーストアート
3つ目は「ファーストアート」です。
ファーストアートとは、赤ちゃんが初めて描くアート作品のことで、絵の具を自由に手や足を使ってキャンバスに表現するのが一般的です。
手を汚さないように絵の具を乗せたキャンバスをジップロックに入れて上から触ることで作品を制作する方法もあります。
ポーリングアートについて
紹介した3つの簡単アートの中から今回はポーリングアートについて解説していきたいと思います。
ポーリングアートとは?
ポーリング(Pouring)とは「注ぐ」という意味です。
「流動性」を意味するフルイド(Fluid)アートとも呼ばれたりします。
アクリル絵の具の流動性によって偶然できる模様をいかした技法で、絵を描くことが苦手な方や初心者に方にも魅力的な表現ができる人気のアート技法です。
ポーリング技法の仕組み
絵の具は基本的に別の色と一緒にすると混ざり合ってしまいます。
ポーリング技法では絵の具同士が混ざり合わないようにするためにポーリングメディウムというメディウムを絵の具に混ぜます。
ポーリングメディウムが最初から混ぜられている絵の具も販売されていますが、どちらを使っても問題ありません。

ポーリングメディウムの代わりに100均などでも販売されている「洗濯のり」でもできるようですよ!
絵の具の流動性を高めたい場合は水を混ぜるとよいですが、水が多すぎると絵の具同士の境界がぼやけてしまい、仕上がりに影響してしまいますので注意が必要です。
また、シリコンオイルを少量入れることでセル状の模様を作ることができます。
必要な材料・道具について
ポーリングアートを行うにあたり、材料と道具などの準備が必要です。
準備にはちょっとしたコツがあります。
ポーリングアートではたくさんのポーリングメディウムを混ぜた絵の具を使用するため、テーブルや床が汚れる危険性があります。
新聞紙などで養生して行うことをお勧めします。

今回は撮影用に新聞紙ではなく包装紙を使用しています。
さらに、トレイにラップを敷いてその中で制作すると片付けが楽ですよ。
使用する画材、道具(※はあるとセル模様を発生させることができます)
- アクリル絵の具
- ポーリングメディウム
- キャンバス(支持体)
- 瓶(ダルマピン)
- 水
- 紙コップ(プラコップ)
- 使い捨てのマドラー
- シリコンオイル※
- ライター※
- ビニール紐(サランラップ)
キャンバスは側面にも描ける3D張りキャンバスがオススメです。
絵の具はアクリル絵の具を使用してください。
アクリルガッシュを使用すると乾燥後にひび割れたり、剥がれたりする恐れがありますので注が必要です。
アクリル絵の具とアクリルガッシュの違いについてはこちらの記事をご参照ください。
ポーリングアート4つのやり方
ポーリングアートには代表的な4つのやり方があります。
ここでは一つずつ紹介していきますので、自分に合ったやり方を見つけましょう!
準備について
それぞれのやり方を紹介する前に共通する準備について解説します。
まずはアクリル絵の具とポーリングメディウムを混ぜ合わせます。
目安はメディウム8に対して絵の具2の割合です。(好みの流動性に合わせて調整しましょう)
※メーカーによってメディウムと絵の具の混ぜる割合が異なりますので、商品ラベル等で確認してください。
この時にしっかりと絵の具を混ぜておかないと、流した時に絵の具がダマになってしまいます。
また、混ぜる際に泡を防ぐために優しく混ぜ、気泡ができたら消えるまで待ちましょう。
色の種類ごとにプラカップで分けて作ります。
混ぜた状態でガムシロップくらいの感じがオススメです。
状態によっては水を加えて調整してみてください。

ここでシリコンオイルを絵の具20ml〜40mlに対して1〜2滴程度混ぜて軽く混ぜておくとセル模様を発生させることができます。
キャンバスは養生した新聞紙の上に直接置くと流れた絵の具がくっついてしまうので、瓶を下に置いて浮かせるか、キャンバスの四隅にダルマピンを刺して直接新聞紙にキャンバスが触れないようにしておくと良いでしょう。
キャンバスの裏にも絵の具が付かないようにマスキングテープなどで養生しておくと綺麗に仕上がります。
フリップカップ
ポーリングメディウムを混ぜた絵の具を1つのカップの中に順番に入れていきます。
(ここで絵の具を混ぜないようにしましょう)
カップの上にキャンバスでフタをしてひっくり返します。
絵の具が下に来るまで少し待ちましょう。
カップを持ち上げて絵の具を広げていきます。
キャンバスを傾けながら絵の具を全体に行き渡らせましょう。
オープンカップ
あらかじめ底をカットしたカップをキャンバスの上に乗せておきます。
水平にカットしましょう。ガタガタしていると絵の具が漏れ出てしまいます。
カップの中にポーリングメディウムを混ぜた絵の具を入れていきます。
(ここで絵の具を混ぜないようにしましょう)
カップを持ち上げて絵の具を広げていきます。
キャンバスを傾けながら絵の具を全体に行き渡らせましょう。
スワイプ
ポーリングメディウムを混ぜた絵の具を、キャンバスの中央に垂らしていきます。
ビニール紐やサランラップなどで垂らした絵の具の表面を引きずって伸ばしていきます。
同様に逆側も引きずって画面全体に行き渡らせましょう。
ダッチプア
ポーリングメディウムを混ぜた絵の具をキャンバスの上に垂らしていきます。
ストローなどで息を吹きかけて絵の具を動かしていきます。
息を吹きかける代わりにドライヤーを使っても良いと思います。

ドライヤーを使用する場合、“温風”を当てるとすぐ乾いてしまうので“冷風”を当てた方が良いと思います。
セルを発生させる
ポーリングメディウムを混ぜた絵の具にシリコンオイルを混ぜておくとセルを発生させることができます。
自然に発生する場合もありますが、絵の具の表面をライターで炙るとセルが出るので、好みで炙って表現を楽しみましょう!
まとめ
今回はアクリル絵の具でポーリングアートについて解説しました。
ポーリングアートはアクリル絵の具の流動性を利用した誰でもできるアートです。
一つポイントがあるとすれば選ぶアクリル絵の具のカラーの組み合わせでしょうか。
例えば同系色でまとめてみたり、アースカラーやパステルカラーでまとめてみたり。
モノトーンに1色差し色を入れてみる。
色々試してみるのも楽しいと思いますし、あなたの個性が出て素敵な作品に出会えるかもしれません。
画力を必要としないポーリングアートは、誰でもできる簡単アートです。
ぜひ挑戦してアートの楽しさに触れてみてください。
アートライフで人生を豊かに!
それではまた、別の記事でお会いしましょう!













「一定の材料、技術、身体などを駆使して、観賞的価値を創出する人間の活動、およびその所産」と定義されています。