
こんにちは、デザイナーでアーティストのマキチャリックスです!
みなさんは生まれて初めて描いた絵を覚えていますでしょうか?
私は幼い頃から絵を描くことが大好きで、これまでにたくさんの絵を描いてきました。
しかし記憶に残っている(写真に残っている)絵は保育園で描いた車の絵で、それ以前は記憶に残っていません。
初めて描いた絵はどんな絵だったのだろう?
ちょっと気になります。
そこで今回は生まれて初めて描く絵「ファーストアート」について解説したいと思います。
ファーストアートについて
みなさんはファーストアートってご存知でしたか?
ファーストアートとは?
ファーストアートとはお子さんが生まれて初めて描く絵のことをいいます。
もちろんお子さんが成長していく過程で、いつか初めて絵を描くタイミングが訪れると思います。
それもファーストアートといえますが、ここでいうファーストアートはキャンバスなどに絵の具を使って描くアート作品のことをいいます。
まだ、自分で絵の具を出して筆を持って描くことができない時期に大人が準備をしてあげてお子さんに描く体験をしてもらう訳ですね。
いつ行うのが良い?
いつ行うかの決まりは特にありませんが、生まれて半年のハーフバースデーや1歳の誕生日に記念として行うことが多いようです。

ファーストアートをおすすめする理由
ファーストアートをおすすめする理由はいくつかありますが、一番は思い出が作品として残るということです。
ほとんどの方は初めて描いた絵を覚えていないのではないでしょうか?
幼い頃の写真は山のようにあっても、初めて描いた絵は何だったのだろう。
私には子供が3人いますが、当時ファーストアートのことを知りませんでした。
今はもう3人とも大きくなりましたので、今からファーストアートを描くことはできないですし、初めて描いた絵も分かりません。
学校で描いた絵の一部を額に入れて飾ってあるくらいですね。
ファーストアートにはアクリル絵の具がおすすめ
ここまでファーストアートについて書いてきましたが、ここではファーストアートに使用する絵の具について解説したいと思います。
結論からいうとファーストアートには「アクリル絵の具」がおすすめです。
アクリル絵の具をおすすめする理由
なぜファーストアートにはアクリル絵の具がおすすめなのでしょうか?
それはアクリル絵の具が持つ特徴にあります。
アクリル絵の具は絵の具同士を混ぜたり、水で薄めて使うことができますが、乾くと耐水性になります。
一度乾くとゴムのようになってとても丈夫です。
また、その特徴から厚塗りしてもひび割れたりしません。
褪色性にも優れていて、絵の具の色が褪せにくいのもおすすめする点です。
アクリルガッシュ
アクリルガッシュはアクリル絵の具とよく間違えられますが、別の絵の具です。
どちらも顔料にアクリル樹脂を加えてできていますがアクリル絵の具はバインダー(顔料を定着させるもの)であるアクリル樹脂の割合が多く、絵の具が丈夫になる理由がここにあります。
一方アクリルガッシュは顔料の割合が多く、不透明です。
アクリルガッシュも乾くと耐水性になりますが、バインダーの割合が少ないので厚塗りするとひび割れを起こしやすく長期保存には向きません。
また、褪色性の面でもアクリル絵の具に劣ります。
水彩絵の具
水彩絵の具はどうでしょうか。
多くの方が最も身近にあるのが水彩絵の具かもしれませんね。
小学生の頃に図画工作の時間に使っていた方も多いのではないでしょうか。
しかし、厚塗りした際に水彩絵の具はアクリルガッシュ以上にひび割れしやすく、変色もしやすいのでファーストアートには向いていないといえます。

時間が経過してボロボロになってしまったら悲しいですよね。
油絵の具
油絵の具はなかなか身近にある絵の具ではないかもしれません。
油絵を描いている方や、身近に油絵を描いている方がいらっしゃれば別ですが、どちらかというと油絵画家の方が使う絵の具というイメージではないでしょうか。
油絵の具は水で薄める事ができません。
専用の油で薄めて使うので、初心者の方や知識のない方には使いづらい絵の具だと思います。
また、乾燥に3〜5日くらいかかるので保管も大変ですね。
ファーストアートのやり方
永く作品として保存するのであればアクリル絵の具を使って行うのがおすすめだということは理解いただけたと思います。
アクリル絵の具は今ではダイソーやセリアなどの100均でも購入することができます。
ただ、色数はあまり多くありません。
画材やさんやネットショップなどで多くの色が売っていますし、12色セットや24色セットなども販売されています。
お子さんのファーストアートをきっかけにご自身でもアート作品を制作してみてはいかがでしょうか?
自分には絵心がないからって、心配いりません。
誰でも簡単に描けるアート作品がありますので、下記にリンクを貼っておきます。
準備するもの
さて、ファーストアートに戻ります。
先ずは準備をしていきましょう。
ファーストアートを行う際に準備するものはこちらです。
- キャンバス(大きさは自由)
- アクリル絵の具(3〜5色程度)
- ジッパー付き保存袋
これだけあれば制作可能です。
キャンバスの大きさは自由ですが、あまり小さすぎると作業しにくいかもしれません。
ジッパー付き保存袋に入れて作業しますので、それより小さいサイズを選びましょう。
アクリル絵の具は3〜5色程度がおすすめです。
あまり多くの色を混ぜると濁ったグレー色に近づいていくので色数はあまり増やさないようにしましょう。
お子さんに選んでもらうのも良いですし、大人が選んであげても良いと思います。
大人が選ぶ場合は赤や黄色などの暖色系でまとめたり、淡い色でまとめたり、アクセントとしてゴールドやシルバーなどを入れてみても良いかもしれませんね。
ファーストアートのやり方(アクリル絵の具編)
実際にアクリル絵の具を使って制作してみましょう!
本来はお子さんが行いますが、身近に小さな子供がいませんので今回は私が代わりにやってみます。
今回はダイソーのキャンバスパネル(220mm×160mm)と同じくダイソーのフリーザーバッグL(270mm×285mm)を用意しました。
キャンバスパネルをフリーザーバッグに入れた際にちょうど良い大きさでした。
それでは、先ずは絵の具を選びます。
今回はアムステルダムアクリリックカラーのチタニウムホワイト、ウォームグレー、プライマリーイエロー、ライトローズを使用します。
キャンバスに絵の具を点状に出していきます。
お子さんが色を選んだ場合も、絵の具を出す作業は大人がやってあげてください。
間違ってもお子さんが絵の具を口に入れないように目を離さないでください。
たっぷり目の絵の具でやれば厚塗りで制作することができます。
絵の具をのせたキャンバスをジッパー付き保存袋に入れます。
ジッパーをしっかり閉じて絵の具が漏れないようにしてください。
こうすることで絵の具が直接手に付かず汚れる心配がありません。
ジッパー付き保存袋を使用せず直接絵の具を手で混ぜても良いですが、アクリル絵の具は服について乾くと落ちにくくなるので注意してください。
袋の上から自由に叩いたりして絵の具をキャンバスに伸ばしていきます。
大人が叩く真似をしてあげるとお子さんもやりやすいかもしれません。
あまり混ぜすぎると濁った色になってしまう恐れがあるので、程よいところで終わりましょう。
袋からキャンバスを取り出して、お子さんの手の届かない直射日光の当たらない場所で乾かします。
アクリル絵の具であれば厚塗りでも1日置いておけばほとんどの場合完全に乾きます。
仕上がりはこんな感じです。
アクリル絵の具特有のツヤ感がありますね。
拡大するとこんな感じです。
黄色の透け感も絶妙ですね。
アクリル絵の具の特徴がよく出ていると思います。
制作した作品はこのまま飾るのももちろん良いですが、お子さんの名前と生年月日や制作日などが入ったアートタグを取り付けると一気にかっこいいアート作品になりますよ!
アクリルガッシュでやってみる
アクリル絵の具がおすすめではありますが、アクリルガッシュでもやってみましょう!
今回はシルバー、グレイッシュパープル、蛍光ホワイト、アンティークシルバー、カラーパールホワイトを使用します。
ターナーのアクリルガッシュは画材屋さんにいくととても種類が豊富でワクワクします。
アクリルガッシュで行う際はちょっと注意が必要です。
アクリルガッシュは厚塗りするとひび割れを起こしやすくなります。
あまり厚塗りはしないようにしましょう。
心配な方は乾いた後にバーニッシュ(保護ニス)で表面を保護してあげると良いと思います。
バーニッシュについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
ジッパー付き保存袋から取り出す際は、袋の縁をハサミで切ってしまってから上の袋を剥がすように取るとやりやすいと思います。
袋から取り出す際に手に絵の具がつきやすいので。
仕上がりはこんな感じです。
シルバー部分は独特の反射がありますが、基本的にはマットな仕上がりです。
拡大するとこんな感じです。

シルバーの輝きとマットな質感が良い感じです。
ファーストアート応用編
ここではファーストアート応用編ということで、絵の具の他に一手間加えてより個性的な作品を制作するやり方を解説します。
モデリングペーストを使う
モデリングペーストという画材をアクリル絵の具に混ぜて使うとこによって立体的な盛り上がりやテクスチャーを与えることが可能です。
アクリル絵の具のみで出す盛り上げには限界があり、乾くと体積も減ってしまいます。
モデリングペーストを混ぜた絵の具を使うことによって絵の具だけでは出すことのできない立体感を表現することができます。
絵の具とモデリングペーストを混ぜる際に、ペインティングナイフがあると混ぜやすいですし、キャンバスに絵の具をのせやすいのでおすすめです。
モデリングペーストを使用した仕上がりはこんな感じです。
アクリル絵の具のみの仕上がりと比べるとマチエールが強調されてはっきりと出ていることがわかります。
拡大するとこんな感じです。

この表面のマチエールがモデリングペーストの特徴の一つです。
ジェルメディウムを使う
ジェルメディウムという画材をアクリル絵の具と混ぜて使うことによって透明感や光沢、盛り上げを表現できます。
ジェルメディウムは白いジェル状ですが、乾くと透明になって接着力が増します。
アクリルガッシュを使用する際はジェルメディウムを混ぜて使うとひび割れを防ぐことができます。
ジェルメディウムを使用した仕上がりはこんな感じです。
表面のツヤ感がかなり出ています。
拡大するとこんな感じです。

かなりツヤ感がありますね。
これでも制作して約一週間が経過していて完全に乾いている状態です。
ファーストアートに限らずツヤ感を出したい場合にはおすすめのメディウムです。
重曹を使う
絵の具に重曹を混ぜて使えば漆喰のような質感を表現することができます。
混ぜる割合は「重曹1:アクリル絵の具2」です。
乾燥後の剥離を防ぐためにボンドを混ぜる方法もあります。
ボンドを混ぜる場合は「重曹1:アクリル絵の具2:ボンド1」を目安にしましょう。
今回はダイソーで購入した重曹を使いました。
重曹を使用した仕上がりはこんな感じです。
重曹独特の表面がざらざらした質感が出ています。
拡大するとこんな感じです。
拡大写真だと表面のざらざらした質感がよくわかると思います。
重曹は100均でも手軽に手に入りますのでぜひチャレンジしてみてください!
バーニッシュでコーティングする
ファーストアートを永く保存するためにバーニッシュ(保護ニス)を塗ることをおすすめします。

バーニッシュには液体タイプとスプレータイプがあり、初心者の方にはスプレータイプが圧倒的に綺麗に塗布できるのでおすすめです。
また種類も艶出し、半艶、艶消しなどがありますので、作品のイメージに合わせて選ぶと良いと思います。
特にアクリルガッシュを使用した場合はひび割れ防止、色落ち防止などの観点からもバーニッシュを塗ることをおすすめします。
まとめ
ファーストアートは大人の補助は必要ですが、生後半年、1歳くらいでもできる簡単アートです。
アートタグを取り付けておしゃれに飾っておくのも良いですし、お子さんとの思い出づくりとしてもおすすめです。
もしかしたらお子さんがアート好きになるきっかけとなるかもしれませんね。
また、お子さんだけでなく大人が体験してみてもおもしろいと思います。
簡単アートはポーリングアート(フルイドアート)、テキスチャーアートなど他にも紹介していますので気になった方はこちらの記事も読んでみてください。
絵が上手じゃなくても、誰でもできる簡単アートとして紹介しています。
アートライフで人生を豊かに!
それではまた、別の記事でお会いしましょう!












記念日にすれば思い出にもなりますし良いかもしれませんね。