

アクリル絵の具を使い始めたばかりのとき、誰もが最初にぶつかる壁が「水の量」です。
「水彩絵の具と同じでいいの?」「薄めすぎるとどうなるの?」といった疑問を抱えたまま描き進めると、せっかくの作品が剥がれてしまったり、発色が濁ってしまったりする原因になります。
この記事では、アクリル絵の具のポテンシャルを最大限に引き出すための「水の黄金比」を徹底解説します。
この記事を読めば、理想の質感で描くための具体的な加減がわかり、失敗を恐れずに創作を楽しめるようになります。
アクリル絵の具は「水」で決まる!初心者が知るべき基礎知識
- アクリル絵の具と水彩絵の具の性質的な違い
- 水で薄める本当の目的
- 水を使いすぎることによる定着力の低下リスク
アクリル絵の具は、水で薄めて使うことができる非常に便利な画材です。
しかし、その正体は「アクリル樹脂」というプラスチックの粒子。
ここが、アラビアゴムを固着剤とする水彩絵の具との大きな違いです。
なぜ水で薄めるの?水彩絵の具との決定的な違い
水彩絵の具は乾いた後も水に溶けますが、アクリル絵の具は一度乾くと強力な耐水性へと変化します。
水はあくまで「塗りやすくするための溶剤」であり、乾燥すれば蒸発してなくなります。
そのため、水の量を変えることで、油絵のような厚塗りから、水彩のような透明感まで自在に操ることができるのです。
薄めすぎはNG?定着力が落ちる仕組みを知っておこう
アクリル絵の具を水で薄めすぎると、絵の具に含まれる「固着剤(樹脂)」まで薄まりすぎてしまいます。
すると、乾いた後に絵の具が画面にくっつく力が弱まり、ポロポロと剥がれ落ちてしまう原因になります。
具体的な数値で言うと一般的に「絵の具:水=2:1」くらいが目安と言われています。
あくまでも目安ですので表現によって微調整しましょう。


実際に多めの水(アクリル絵の具と1:5程度の牛乳くらい)で薄めたアクリル絵の具と10:1程度の水で薄めたアクリル絵の具を塗って比較してみました。
多めの水で薄めた方はかなりムラがあるのがわかります。
一方、10:1程度の割合で薄めた方はキレイなベタ面になっています。ベタを塗る際は水で薄めすぎないように注意が必要です。
【完全版】アクリル絵の具と水の割合:仕上がり別の目安
- 水なし〜数滴:力強い厚塗り
- 10:1〜3:万能なマヨネーズ状(ベタ塗り最適)
- 1:5以上:透明感のある水彩風
アクリル絵の具には、大きく分けて3つの「理想の状態」があります。
自分が描きたいスタイルに合わせて使い分けましょう。
厚塗りで力強く見せるなら「水なし〜数滴」
キャンバスに盛り上げるような質感(インパスト)を出したい場合は、水はほとんど使いません。
筆を湿らせる程度の水分で、チューブから出したての歯磨き粉くらいの絵の具を練り上げます。
滑らかに描くための黄金比「マヨネーズ状」の作り方
最も汎用性が高いのが、絵の具と水の比率が「10:1〜3」程度の状態です。
筆跡がわずかに残る程度のマヨネーズくらいの柔らかさで、塗りつぶし(ベタ塗り)にも最適です。

水彩風にじみ・ぼかしを楽しむ「牛乳〜色水」の状態

透明感を出すために水を多く(絵の具1に対して水5以上)混ぜる手法です。
例えると牛乳くらいシャビシャビした感じです。
グラデーションを作るときに有効ですが、前述の通り定着力が弱まるため、専用のメディウム(補助剤)を併用するのが理想的です。
失敗から学ぶ!水加減を間違えたときの対処法とサイン
- 絵の具が弾かれる原因と対策
- 素材ごとの吸水率の違い
- 独自実験でわかったメディウムの重要性
「水が多すぎて弾く」ときはどうすればいい?
特に油分を含んだ下地やプラスチック素材に描く際、水が多いと絵の具が玉のように弾かれます。
これは「水分が多すぎて樹脂が表面に密着できていない」サインです。
一度乾かしてから、少し厚めの絵の具を重ねるか、界面活性剤を含むメディウムを混ぜることで解決します。
キャンバスや布など、描く素材による吸水率の違い
紙は水を吸いやすく、キャンバス(下地処理済み)は適度に留まり、布は繊維の奥まで浸透します。素材によって「ちょうどいい水の量」が変わることを意識しましょう。
【独自検証】水を入れすぎた絵の具の「剥がれ」を実験
実際に絵の具を塗って検証してみました。
紙やキャンバスでは剥がれにくいため、あえて定着しにくい「クリアファイル」で比較しています。

- 水だけで薄めた場合(牛乳状):はじいてしまって定着しなかった
- 水だけで薄めた場合(マヨネーズ状):爪で引っ掻くと簡単に剥がれてしまった
- 水だけで薄めた場合(チューブのまま):少し力を入れて爪で引っ掻くと剥がれた
- ジェルメディウムを混ぜた場合:色は薄くても、しっかりと定着した

水の量が多すぎて絵が台無し?
絵の具を水で薄めて描く時に少し注意したいことがあります。
重ね塗りをする際に下塗りは水を多めにして、上塗りは水を少なくします。
もちろん表現によってはこの限りではありませんが、逆だと筆跡が残ってしまって思った仕上がりにならないこともあります。
実際に私もこれを経験して、何時間もかけて描いた絵が台無しになったこともあります。
絵の具に水を加える時に注意!
絵の具に水を加える時に注意したいことは、一気に水を混ぜないことです。
なぜかというと、混ぜた水の量が多かった場合に理想の割合にするためには絵の具を加える必要があります。
結果的に絵の具を余らせてしまって、捨てるというもったいないことになる可能性があります。

この失敗、今でもたまにやってしまいます。
水を加える際は少しずつ慎重に!
筆やパレットも重要!水を活用した後片付けと乾燥対策
- 作業中の筆の管理術
- 私が愛用している便利道具の紹介
- パレットと筆洗器の賢い使い方
作業中は「筆を水に浸す」のが鉄則な理由
アクリル絵の具は乾燥が早いため、筆についたまま放置すると数分で固まってしまいます。
一度固まると水では落とせなくなるため、使わない筆は必ず筆洗バケツの水に浸しておく習慣をつけましょう。
固まってしまった筆やパレットを復活させる裏技
もし固まってしまった場合は、専用の「リムーバー」や、お湯+中性洗剤でのつけ置きが有効です。

アクリル絵の具の「水」に関するよくある質問(FAQ)
- Q:水道水で大丈夫?
- Q:乾いた後に溶け出さない?
- Q:バケツの水はこまめに替えるべき?
Q:水道水で大丈夫?精製水は必要?
A:基本的には水道水で問題ありません。ただし、長期保存する作品で成分の劣化を極限まで避けたい場合は、精製水を使用する作家もいます。
Q:一度乾いた後に水を塗っても溶け出さない?
A:はい、完全に乾けば耐水性になるため、上から水を塗っても下の層が溶け出すことはありません。これが重ね塗りの最大のメリットです。
Q:バケツの水はこまめに洗ったほうが良い?
A:はい、筆を洗う水が汚れていると次に使う絵の具の色に影響が出てしまいます。

まとめ|自分にとって心地よい「水加減」を見つけよう
- 基本の黄金比は「10:1のマヨネーズ状」
- 水の入れすぎは定着不良(剥がれ)の原因になる
- 道具を乾かさないために水を賢く使う
アクリル絵の具の使い方は、水の量ひとつで無限に広がります。
まずは「マヨネーズ状」を基準にし、表現したい質感に合わせて少しずつ水を足したり引いたりして、自分なりの黄金比を見つけてみてください。

アートライフで人生を豊かに!
それではまた、別の記事でお会いしましょう!











こんにちは、デザイナーでアーティストのマキチャリックスです!
アクリル絵の具をこれから楽しみたい方の力になれるよう、私の経験をギュッと詰め込みました。