
- ジェッソとアクリル絵の具を直接混ぜて使用するメリット
- 失敗を防ぐためのジェッソと絵の具の黄金比率
- 混色のデメリットと、アクリル絵の具のブランド別の特徴
- プロが教える、ダマやムラを防いで綺麗に仕上げるコツ
こんにちは、デザイナーでアーティストのマキチャリックスです!
ジェッソとアクリル絵の具を混ぜて使いたいけれど、本当に混ぜても大丈夫なのか不安に思っていませんか?
実は、正しい比率と方法を守れば、この2つを混ぜて使うことは全く問題ありません。
あらかじめ混ぜておくことで、一度の作業で理想的な「色付き下地」を作ることができます。
作業効率がアップするだけでなく、アクリル画の表現の幅を大きく広げるための素晴らしいテクニックです。
この記事では、ジェッソにアクリル絵の具を混ぜるメリットから、失敗しない基本の比率、注意すべき落とし穴までを分かりやすく解説します。
読めばすぐに実践できる具体的な手順も紹介していますので、ぜひ理想の下地作りに役立ててください。
ジェッソとアクリル絵の具は混ぜても大丈夫!そのメリットとは?
ジェッソとアクリル絵の具は、どちらもアクリル樹脂をベースにして作られている画材です。
そのため、性質としての相性が非常に良く、お互いを直接混ぜ合わせても化学反応などの問題は起きません。
むしろ、あらかじめこの2つを混ぜてから画面に塗ることで、作品作りにおいて多くのメリットを得ることができます。
ここでは、具体的にどのような効果やメリットがあるのかを詳しく見ていきましょう。
あらかじめ混ぜることで「色付き下地」が一度で作れる
一般的な白いジェッソを塗ってから絵の具を重ねる場合、下地を乾燥させるための待ち時間がどうしても発生します。
しかし、ジェッソをはじめから絵の具と混ぜておけば、下地塗りと着色のプロセスを同時に終わらせることが可能です。
色付き下地を一度で作ることで約半分の時短になります。
F0のキャンバスで下地を3回塗る場合で30分程の時短になります。
例えばジェッソ3回、絵の具3回塗って色付き下地を作るところを、色付き下地を3回塗るだけで済むからです。

ドライヤーを上手に使えばさらに時短もできます!
絵の具の定着力を高め、不透明でマットな質感を出せる
ジェッソには、絵の具の食いつきを良くするための顔料や定着成分が豊富に含まれています。
そのため、絵の具単体で塗るよりも、ジェッソを混ぜた方が支持体(キャンバスや木パネルなど)への定着力が圧倒的に高まります。
また、ジェッソ特有の艶消し(マット)な質感が加わるため、光沢を抑えた落ち着いた画面を作りたいときにも最適です。
絵の具だけでは表現しにくい、しっかりと不透明で重厚感のある地肌を作ることができます。

こちらは「アクリル絵の具のみの下地」と「ジェッソとアクリル絵の具を4:1で混ぜた下地」の上にアクリル絵の具を塗って違いを検証した写真です。
ジェッソと絵の具を混ぜた下地を塗った方は、少し筆が重くなりました。
絵の具の乗りも良くなります。
「自分で混ぜる」?「カラージェッソを買う」?
ジェッソにアクリル絵の具を混ぜて下地を作ることができるのはわかったと思いますが、最初から「カラージェッソ」を買った方が楽じゃないかと思う方もいると思います。
- 毎回同じ色を大量に使う→カラージェッソを買った方が楽
- その場で微妙な色を作りたい→自分で混ぜる方が自由
こんなイメージで良いと思います。

失敗しない!ジェッソとアクリル絵の具を混ぜる正しい比率と手順
ジェッソとアクリル絵の具は混ぜても大丈夫ですが、適当なバランスで混ぜてしまうと下地としての機能が損なわれることがあります。
理想的な質感と耐久性を備えた下地を作るためには、守るべき「基本の比率」が存在します。
ここからは、失敗を防ぐための具体的な配合バランスと、ムラなくきれいに仕上げるための手順を分かりやすく解説します。
しっかりとマスターして、美しいベース画面を作り上げましょう。
【基本の比率】ジェッソ「4」に対してアクリル絵の具「1」が目安
美しい色付き下地を作るための黄金比率は、ジェッソ「4」に対してアクリル絵の具「1」の割合です。
この比率であれば、ジェッソが持つ本来の定着力や隠蔽(いんぺい)力をしっかりと維持することができます。
もし絵の具の量が多すぎると、下地としての強度が落ちてしまい、後から重ねる絵の具が剥がれやすくなる原因になります。
まずはこの4:1のバランスを基準にして、好みの色の濃さを調整していくのがおすすめです。
ムラなくきれいに仕上げるための混ぜ方ステップ
混ぜる際は、ペインティングナイフなどを使って、底からしっかりとかき混ぜるようにしてください。
一度に大量の絵の具を投入するのではなく、ジェッソの中に絵の具を少しずつ加えながら色を確認していくのがコツです。
ムラなく混ぜるために使用する容器は底に凹凸のないものを使いましょう。
ペインティングナイフの平らな面を使って、空気が入らないように注意しながら塗り混ぜます。
ジェッソの口の周りに固まったジェッソがポロポロと落ちることがあります。
そのまま混ぜると異物となって画面に影響が出てしまいます。

ここに注意!ジェッソに絵の具を混ぜる際のデメリットと落とし穴

ジェッソにアクリル絵の具を混ぜる手法は非常に便利ですが、決して万能というわけではありません。
正しく性質を理解しておかないと、思わぬトラブルに見舞われて作品の完成度に影響が出てしまうこともあります。
下地作りでの失敗は、その後の絵画制作のすべてに響いてしまうため、事前の対策がとても重要です。
ここでは、特に気をつけるべきデメリットや落とし穴について詳しく解説します。
混ぜすぎると下地剤としての本来の機能(定着力・隠蔽力)が落ちる
先ほどの比率でも触れましたが、アクリル絵の具の割合が増えすぎると、ジェッソ特有のザラザラとした目止め効果が弱まります。
結果として、上に塗る絵の具を支えるための「食いつき(定着力)」が低下してしまうのです。
また、下にある木目やキャンバスの目の粗さを隠す「隠蔽力」も、絵の具を混ぜることで薄まってしまいます。
真っ平らで強固な下地を作りたい場合には、混ぜる絵の具の量を最小限に抑えるか、無色のまま使用するのが賢明です。

写真では分かりづらいですが、ジェッソと絵の具を混ぜた下地は、マットな仕上がりです。
(アクリル絵の具のみの方も不透明なホワイトを多く使用しているので比較的マットな仕上がりになっています)

マットな仕上がりにしたい場合はカラージェッソの方が安定します。
ジェッソは絵の具の「白」のような感覚なので、絵の具を混ぜて濃い色を作ることはできません。
濃い色にしたくて、つい絵の具を混ぜすぎないように注意しましょう。
アクリル絵の具の種類(フルイド・ヘビーボディ)による混ざり方の違い
使用するアクリル絵の具の「硬さ(粘度)」によっても、ジェッソとの混ざりやすさや仕上がりの質感が変化します。
チューブに入った硬い絵の具(ヘビーボディなど)は、ジェッソとしっかり練り合わせないと部分的に濃い色の塊が残ることがあります。
一方で、サラサラとした液状の絵の具(フルイドなど)は混ざりやすいですが、全体の粘度を下げすぎて緩くなる傾向があります。
自分が持っている絵の具のタイプに合わせて、混ぜる際の力加減や水分量を調整することが大切です。
【アムステルダム】
・チタニウムホワイト(粘度が高い)
・イエロー系(柔らかい)
・透明色(流動性が高く、さらっとしている)
【リキテックス】
・ヘビーボディ(とても粘度が高い)
・ソフトボディ(少し柔らかめ)
・BASICS(粘度は中程度)
【U-35】
・比較的粘度は均一
プロが実践!私がアクリル画の下地作りで体験した成功と失敗

画材の扱い方には、教科書通りの知識だけでなく、実際に描く中で得られる「リアルな経験」が何よりも参考になります。
特にジェッソと絵の具を混ぜる際は、環境や描き方によって予期せぬ変化が起きることも珍しくありません。
ここでは、私がこれまでに多くのアクリル画を制作してきた中で、実際に直面したリアルなエピソードをお届けします。
成功したポイントはもちろん、恥ずかしい失敗談も隠さずシェアしますので、ぜひ反面教師にしてください。
【体験談】一気に塗ろうとしてダマに?綺麗に発色させるコツ
塗ったジェッソが乾ききる前に2度目、3度目を塗ると、乾き切っていない一部が剥がれて画面が均一でなくなってしまいます。
綺麗に均一に塗るコツは薄く塗り重ねること、縦横交互に塗り、しっかり乾燥させることです。

ブラックの下地はブラックジェッソかブラック張りキャンバスがおすすめ
ここまでジェッソとアクリル絵の具を混ぜて使うやり方を解説してきましたが、下地を黒にしたい場合はブラックジェッソか、ブラック張りキャンバスを使う方がおすすめです。
ジェッソにアクリル絵の具の黒を混ぜてもグレーにしかならない
ジェッソとアクリル絵の具の割合はジェッソ「4」に対してアクリル絵の具「1」が基本の比率だと解説してきました。
ジェッソは「白」なので「黒」を混ぜてもグレーにしかなりません。
そうかといって「黒」を足していくとアクリル絵の具の比率が高くなってしまいます。
ブラックジェッソで下地を作る
最初から「黒」で作られているブラックジェッソは文字通り真っ黒なジェッソです。
特に蛍光色などを使って作品を描く際はブラックの下地がおすすめです。
ブラック張りキャンバスを使う

キャンバスといえば「白」というイメージがあるかもしれませんが、「黒」のキャンバスも販売されています。
キャンバスを黒くしたい場合に、最初から黒いキャンバスを使えばとても便利です。
ジェッソとアクリル絵の具の「混ぜる」に関するよくある質問(FAQ)
ジェッソと絵の具の混色について、初心者の方からよく寄せられる質問をまとめました。
「こんな場合はどうすればいいの?」という疑問をすっきり解決して、不安のない状態で制作に取りかかりましょう。
Q. 油絵の具をジェッソに混ぜてもいいですか?
ジェッソは水性(アクリル樹脂)、油絵の具は油性(乾性油)で根本的に成分が異なります。
水と油が混ざりにくいのと同じです。
ただし、油絵の下地としてジェッソを使うことはできます。
その場合は完全に乾いてから油絵の具をのせるようにしてください。
Q. 混ぜた状態で作り置き(保存)はできますか?
基本は原液のままでOKです。粘度が高くて塗りにくい時だけ、水を全体の20%くらいを上限に加えて調整しましょう。
個人的には5〜10%程度混ぜると塗りやすいと思います。入れすぎると定着力が落ちてしまうので注意してください。
Q. 混ぜたジェッソは水で薄めたほうがいいですか?
きちんと密閉されていれば1週間程度は問題なく使えます。
1〜2ヶ月使える場合
まとめ:正しい比率で混ぜて、理想の色付き下地を作ろう!
ジェッソとアクリル絵の具を混ぜるテクニックは、作業時間を大幅に短縮し、作品にマットで重厚な質感を与える非常に有効な方法です。
失敗しないための最大のポイントは、ジェッソ「4」に対して絵の具「1」という基本の比率をしっかりと守ることです。
絵の具を多く混ぜすぎると、定着力や隠蔽力といった下地本来の重要な機能が落ちてしまうため注意しましょう。
- ジェッソとアクリル絵の具を混ぜると約30分の作業時短になる
- 黄金比率はジェッソ「4」に対してアクリル絵の具「1」
- 凹凸のない平らな容器を使い、乾燥したゴミが入らないように混ぜる
- 綺麗に塗るコツは、薄く縦横交互に塗り、毎回しっかり乾燥させること
今回の記事でご紹介した手順や注意点を参考に、ぜひあなただけの理想の色付き下地を作って、素晴らしいアクリル画を制作してください。
それではまた別の記事でお会いしましょう!













