アクリル絵の具を使った後の筆の洗い方と長持ちさせる為のメンテナンス方法

アクリル絵の具で描いた作品

こんにちは、デザイナーでアーティストのマキチャリックスです!

絵を描く時に大事な道具の一つに筆がありますね。

絵の具をつけて直接紙やキャンバスなどの支持体に色をのせる道具ですのでとても重要です。

筆の種類や状態は直接的に絵の仕上がりに影響を与えるものです。

今回はそんな大切な画筆(がひつ)の洗い方と長持ちさせる為のメンテナンス方法について解説していきたいと思います。

アクリル絵の具の特徴について

筆の洗い方の解説をする前に、筆にどんな絵の具が付いているかによって洗い方は変わってきます。

今回はアクリル絵の具で絵を描く場合の筆の洗い方を中心に解説していきます。

 

アクリル絵の具の特徴

先ずはアクリル絵の具の特徴を知っておきましょう。

アクリル絵の具は顔料とバインダー(顔料とくっつける接着剤のようなもの)としてアクリル樹脂を乳化したアクリル樹脂エマルジョンでできています。

アクリル絵の具は水で溶かして使うことも、絵の具をそのまま厚塗りで使うこともできます。

さらに速乾性があり乾くと耐水性になります。

速乾性があるので、どんどん絵を描き進めることができますし、乾くと耐水性になってアクリル樹脂でゴムのようにとても丈夫になります。

MakichariX

この特徴をしっかりと知っておくことで洗い方を注意しなければいけない点に繋がっていくのですね。

水彩絵の具との違い

水彩絵の具も水で溶かして使います。

子供の頃、学校の授業などで使った方も多いと思いますが、厚塗りをすると乾いた後にポロポロと絵の具が剥がれてしまう、ひび割れてしまったなんて経験をされた方もいるかもしれません。

水彩絵の具は顔料とアラビアゴムをバインダーとして作られています。

このバインダーの違いが絵の具の違いになるのですが、水彩絵の具は乾いた後でも水で溶かすことができます。

アクリル絵の具と水彩絵の具の違いについては別の記事で詳しく解説していますので、そちらを読んでみてください。

画筆使用時の注意点

アクリル絵の具の特徴を解説しましたが、乾くと耐水性となりとても丈夫だということは筆についた絵の具が乾いて固まってしまうと落とすのが大変になるということでもあるわけです。

つまり、アクリル絵の具を筆で描いている時は筆が乾かないようにしなければいけないということですね。

では、具体的にどんなことを心がければ良いのでしょうか。

絵を描いている最中は常に水につけておくようにしましょう。

しばらく使わない場合はすぐに洗っておきましょう。

MakichariX

ペーパータオルなどを横に置いておくと、筆についた絵の具を拭き取ったり洗った筆の水分を取ったりできるのでおすすめです。

汚れても良いタオルや専用のぞうきんなんかでも良いですね。

とにかく筆についた絵の具を乾かさないようにすることが大切です。

ちなみに水彩絵の具は絵の具が乾いて固まってしまっても水で溶かすことができるので問題ありません。

それでも洗うのが大変になるのでこまめに洗うことをおすすめします。

画筆の洗い方

それでは筆の洗い方について解説していきます。

事前に準備しておくもの

絵を描き始める前に準備をしておくものがあります。

いきなり描き始めて、「あれがない」、「これがない」などとバタバタしてしまっていては絵に集中できませんからね。

もちろん絵の具紙やキャンバスなどの支持体はいうまでもありません。

それから今回のテーマでもあるですね。

筆には平筆、丸筆、扇筆、刷毛など多くの種類があります。

また筆の毛にもイタチ毛や豚毛などの動物の毛を使ったものやナイロンなどの合成繊維のものなど多くの種類があります。

ちなみにアクリル絵の具にはナイロン性の筆がおすすめです。

筆を洗う筆洗器も必要ですね。

水を入れる場所が3つ以上分かれているタイプがおすすめです。

ざっくり絵の具を落とす場所、しっかりキレイに洗う場所、絵の具に水を加えるためのキレイな水を入れる場所といった感じです。

絵の具を出すパレットも必要ですね。

アクリル絵の具は乾いてしまうと取るのが大変になってしまうので、使った後はそのまま捨てることができる紙パレットがおすすめです。

パレットについた汚れの落とし方は別の記事で詳しく解説しています。

絵の具は使う分だけ出すのが基本ですが、混色など多めに作っておきたい場合などは乾燥を防ぐための、ミニボトルスプレーに水を入れておいて絵の具が乾く前に吹きかけて乾燥させないようにするのもおすすめです。

続いてペーパータオル(布やぞうきんなど)も置いておきましょう。

アクリル絵の具はなるべく排水溝に流さないほうが環境的に良いので、筆についた絵の具はペーパータオルなどで拭き取ってから洗うようにしましょう。

筆の水分を取るなど、何かと便利です。

制作する絵によっては、さらに準備が必要になってきますが、基本はこんなところだと思います。

 

画筆使用中の洗い方

さあ、いよいよ絵を描いていきましょう!

アクリル絵の具で絵を描いている途中はとにかく筆を乾かさないようにしましょう。

使ったらすぐに洗う癖をつけておくと良いと思います。

筆を変えて描く時は面倒くさがらずに一旦洗いましょう。

筆洗器で洗えば大丈夫です。

筆洗器に筆を置く溝が付いているものもあるので、横向きに置いておけば良いです。

なければ専用のタオルなどを敷いて置いておきましょう。

制作後の洗い方

・水洗い

絵を描き終えた時はしっかり筆を洗いましょう。

筆に絵の具が付いている場合はペーパータオルなどで拭き取ります。

まずは筆洗器に水やぬるま湯を入れて筆先をつけてしっかりと振り洗いをして、絵の具を落としましょう。

筆洗器に最初に洗う水絵の具を落とした後に洗う水仕上げに洗う水といった順番で洗うと効率的に洗えます。

洗うときは筆を底に押し当ててぐりぐり洗うことはやめましょう。

筆が痛んでしまいます。

手で毛先の根元から柔らかく、やさしく洗っていきましょう。

・クリーナーで洗う

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絵の具が固まってしまった時や、しっかり汚れを落としたい時には筆用のクリーナーを使って洗いましょう。

特に絵の具が固まってしまった場合には専用のクリーナーにつけておいて洗うと落とすことができます。

ただし、洗浄力が強い分時間を置きすぎると筆を痛めてしまう可能性があるので注意が必要です。

また頻繁に使いすぎても同様です。

・石けんで洗う

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石けんで洗うこともできます。

動物の毛でできた筆は石けんで洗った後に毛先がバサバサになりやすいのでリンスをしておくと良いでしょう。

リンスによっては絵の具の含みが悪くなることもあるので注意が必要です。

筆用の石けんが販売されており、毛に必要な油分を保護する成分が含まれているので筆用の石けんを使うことをおすすめします。

筆に水を含ませて石けんを付け、手のひらに円を描くように優しく洗いましょう。

洗った後は石けんが残らないようにしっかりすすいでください。

画筆を長持ちさせるために

大切な筆を少しでも長待ちさせたいですよね。

そのために普段から筆の扱いには気を配りたいものです。

使用中に乾燥させないようにする

繰り返しになりますが、アクリル絵の具が筆先で固まってしまうと落とすのがとても大変です。

こまめに水で洗い流すのが重要です。

とにかく絵の具がついた筆は乾燥させないように注意しましょう。

使用後はしっかり洗う

絵を描き終えたら筆はしっかり洗いましょう。

適当に洗って根元に絵の具が残っていたりすると毛先が広がったりして筆の寿命を縮めてしまいます。

次に使うときに良い状態で使えるように使用後はしっかり洗いましょう。

洗い終わったら水気をしっかり取って筆の形を整えます。

乾燥は風通しの良い直射日光の当たらない場所で自然乾燥させましょう。

その際、筆は横向きに寝かせましょう。

間違っても毛先を下にして置かないようにしましょう。

筆が変な形にクセ付いてしまうと使えなくなってしまいますので注意してください。

保管方法について

筆がしっかり乾いてから保管するようにしましょう。

専用の保管ケースなどを使用すると毛先の保護にもなりますのでおすすめです。

専用のケースなどがない場合は毛先を上に向けて立てておきましょう。

毛先を下に向けて立てておくと、形が崩れるような保管の仕方をすると筆の寿命が短くなってしまいますので注意しましょう。

まとめ

今回はアクリル絵の具を使った筆の洗い方と長持ちさせる為のメンテナンス方法について解説してきました。

画筆は絵の制作にとって、とても重要な道具の一つです。

適切な使い方、洗い方、メンテナンスの仕方を身につけて良い状態で長く使えると良いですね。

それでも筆は消耗品ですので、痛んできて描きにくくなってきた場合には買い替えましょう。

ちなみに新品の筆を購入すると付いている透明のキャップは、筆を下ろしたら捨ててください。

濡れたままキャップをしないように。

アクリル絵の具は速乾性があって乾くと耐水性です。

この特徴は大きなメリットだと思います。

特徴を理解して道具を大切に使い、楽しく絵を描いていきましょう。

アートライフで人生を豊かに!

それではまた、別の記事でお会いしましょう!