コスパの良いダイソーやセリアのアクリル絵の具!気になる毒性や安全性は?

アクリル絵の具で描いた作品

こんにちは、デザイナーでアーティストのマキチャリックスです!

ダイソーやセリアなどの100均では様々な画材が販売されています。

その種類の豊富さには驚きます。

アクリル絵の具についても、いくつもの色が販売されていて、ラメやゴールドなどの特殊な絵の具まであります。

わざわざ画材屋さんまで足を運ばなくても身近なお店で購入できるのは大変便利ですし、ありがたいですよね。

何となく絵の具は「口や目に入ったらすぐに大量の水で洗わないといけない」、「間違っても食べてはいけない」ということはご存知だとは思います。

今回はさらにアクリル絵の具の毒性や安全性について調べてみましたので、解説していきたいと思います。

アクリル絵の具の特徴

まず初めにアクリル絵の具の特徴について解説していきたいと思います。

そもそも絵の具って何からできているのでしょう?

絵の具は「顔料」+「バインダー(展色剤)」でできています。

MakichariX

顔料は色の粉で、バインダーは接着剤のような役割をしています。

顔料について

顔料には様々な種類があります。

大きく無機顔料有機顔料に分けられ、無機顔料には天然の顔料と人工の合成顔料があります。

天然の無機顔料は土や石、宝石などを砕いて顔料にしています。

人工の合成無機顔料は人工的に作った顔料で、鉛白など金属を加工したものなどがあります。

この無機顔料の一部には体に害のあるものが含まれています。

有機顔料も合成された顔料で、金属分と染料を混ぜて作られています。

無機顔料より豊富な色調を鮮やかに出すことができます。

有機顔料には体に害のあるものは現在のところ確認されていません。

染料について

絵の具に使われるのはほとんど顔料ですが、色を付けるものに染料というものもあります。

顔料との違いは粒子の大きさで、顔料は粒子が大きいので絵の具のように塗ると表面を覆うように色が乗っていきます。

さらに顔料の割合で透明性が高くなったり(アクリル絵の具)、不透明になったり(アクリルガッシュ)します。

一方、染料は粒子が小さいので浸透力が高くなります。

有松絞り
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服や布などの生地や紙などの繊維を染めるときに使用されます。

バインダー(展色剤)について

バインダーは顔料を定着させる接着剤のような役割で、このバインダーの違いが絵の具の違いになります。

例えば、アクリル絵の具やアクリルガッシュはバインダーにアクリル樹脂を乳化させたアクリルエマルジョンが使われています。

水彩絵の具はアラビアゴムがバインダーに使われていて、油絵具は乾性油が使われています。

他にも補助的な役割で加えられるものもありますが、これらが絵の具の原料となります。

ダイソーのアクリル絵の具

ダイソーの絵の具の種類

ダイソーのアクリル絵の具は豊富な種類があります。

赤、青、黄、緑、白、黒など基本色の他に、メタリックシルバー、メタリックゴールドやグリッターシルバーカラー、グリッターレッドも販売されています。

アクリル絵の具以外にも、水彩絵の具や油絵の具まで販売されています。

ダイソーの絵の具の価格

アクリル絵の具は全て100円(税別)ですからコスパが良いですね。

内容量は30mLですので、セリアの20mLと比べてさらにコスパが良いです。

アクリル絵の具以外にもスケッチブック(100〜300円)やケント紙、キャンバス、筆、筆洗いバケツなども売られていて、ダイソーで一式揃ってしまうくらいです。

お子様のお絵描きや、ちょっと試しにアクリル画をやってみようと思われる方のお試しとしては良いかもしれませんね。

ダイソーのアクリル絵の具の安全性

ダイソーのアクリル絵の具の安全性についてはどうでしょうか。

原産国は韓国で材質は乳剤、ピグメントと表記されています。

ピグメントとは粉末状の顔料の総称なので、顔料ということですね。

乳剤は原料が断定できませんが、アクリル樹脂を乳化させて作られているのでそのような表記になっているかもしれません。

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今回、ダイソーのお客様相談室にアクリル絵の具の安全性について問い合わせをしました。

・安全性につきましては、日本の販売基準検査はクリアしております。
・食品、お子様用の玩具ではなく文具なので、口にいれたりしないようにお気を付けください。
・お子様がご使用される際には保護者の方が、必ずそばにいてご使用をお願いします。

上記のような回答でした。(ご参考までに)

セリアのアクリル絵の具

セリアの絵の具の種類

セリアのアクリル絵の具もダイソーと同じように豊富な種類があります。

赤、青、黄、イエローオーカー、ローアンバー、アクアグリーン、白、黒、ゴールドやシルバーなどのメタリックカラーなどが販売されています。

セリアでもアクリル絵の具以外に、水彩絵の具や油絵の具まで販売されています。

セリアの絵の具の価格

セリアでもアクリル絵の具は全て100円(税別)ですからこちらもコスパが良いですね。

内容量は20mLとなっています。

ダイソーと同様にスケッチブック(100〜300円)やケント紙、キャンバス、筆、筆洗いバケツなども売られていて、セリアでも一式揃えてしまいます。

セリアのアクリル絵の具の安全性

セリアのアクリル絵の具の安全性についてはどうでしょうか。

原産国は中国で材質は顔料、アクリル樹脂エマルジョンと表記されています。

MakichariX

セリアのお客様相談室にもアクリル絵の具の安全性について問い合わせをしました。

人体への影響が懸念される以下の危険物質につきまして、
【重金属顔料】カドミウム、コバルト、鉛、クロム、銅
【添加物・その他】ホルムアルデヒド、フタル酸エステル、防腐剤、アクリル酸エステル
弊社取扱いのアクリルカラー・ガッシュには一切含まれておりません。
安心してご使用いただけますので、ご参考となれば幸いでございます。

上記のような回答でした。

とても具体的なご回答をいただけました。(ご参考までに)

アクリル絵の具の毒性と安全性

ここまでダイソーとセリアのアクリル絵の具について解説してきました。

ここからはアクリル絵の具の一般的な毒性と安全性について解説していきたいと思います。

毒性について

アクリル絵の具に限らず、絵の具には様々な顔料が使われています。

顔料には無機顔料と有機顔料があり、それぞれ天然顔料と合成顔料があります。

天然無機顔料にはオーカー、シエナ、アンバーなどの土を原料にしたもの、合成無機顔料にはコバルト、チタン、カドミウムなどの金属系の原料があります。

天然有機顔料にはアリザリン、コチニールなどの動植物由来、合成有機顔料にはフタロシアニンなどの石油系の原料があります。

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コチニールは食品の着色剤としても有名ですね。

このように顔料には様々な原料が使われており、その原料によって安全なものも毒性があるものも存在するわけです。

つまり絵の具によって毒性は異なるということですね。

安全性について

顔料に使用される原料によって毒性があるかどうかは違うということがわかったと思います。

しかし、実際どの絵の具が安全で、どの絵の具は注意しなければいけないのかなんて分かりませんよね。

そこで絵の具には安全性についての表記がされています。(全てのメーカーが表記しているわけではありませんが)

ここでは安全性の表記について解説していきます。

・APマーク(安全認証マーク)

ACMI(米国画材・工芸材料協会)のAPマークで通常目的の使用において健康被害を引き起こす量の物質を含まないことが認定されています。

・CLマーク(警告表示マーク)

ACMI(米国画材・工芸材料協会)のCLマークは健康へのリスクがあり、安全で適切に使用するための情報を適切に表示されている場合に認められているマークです。

 

アクリル絵の具を安全に使用するため

絵の具の毒性について解説してきましたが、安全に使用するために幾つかの注意点さえ気をつければ何も恐れることはありません。

アクリル絵の具を使って作業する

・アクリル絵の具を使って絵を描く時は十分に換気をしましょう。

アクリル絵の具以外にも溶剤やスプレーを使用する場合は特に換気をしっかりしてください。

またその際は粒子を吸い込む可能性があるのでマスクの着用をお勧めします。

・絵の具は必要な分だけ出すようにしましょう。

絵の具がもったいないですし、余った絵の具を捨てるのも環境に良くないですからね。

・筆は口に入れないようにしましょう。

ちょっと筆先を整えようと口に含むのはやめましょう。

絵の具が手などの肌についた場合はなるべく早く水で洗い流しましょう。

顔料が皮膚に浸透する可能性があります。

気になる方はニトリルゴム手袋などをするのも良いと思います。

作業後の片付けについて

アクリル絵の具専用のゴミ箱を使うのをお勧めします。

パレットをペーパータオルなどで拭き取ってから洗いましょう。

使った筆洗器は一晩置いて絵の具を沈殿させて水を流してから拭き取ってなるべく排水口に流さないようにしましょう。

廃棄について

使い切ったアクリル絵の具は一般家庭ごみと一緒に廃棄できます。

使い切る前に捨てるのはやめましょう。

保管について

アクリル絵の具は使用後しっかりと蓋をして乾燥を防ぎましょう。

パレットに出した絵の具はスプレーで水をかけたり、ラップをかけたりして乾燥を防ぎましょう。

直射日光が当たらない場所に保管しましょう。

まとめ

今回はアクリル絵の具の毒性や安全性について解説してきました。

絵を描くことは楽しくてとても素晴らしいことだと思います。

絵の描き方や道具の使い方を知ることは表現の幅を広げる上で大切なことですし、楽しさもさらに広がります。

それらと同時に絵の具の毒性や安全性も正しく理解して、環境にも配慮した絵の具の使い方や作業の仕方も実践できると良いですね。

ダイソーやセリアなどで安価で気軽に絵の具を購入できるからこそ、このような知識はとても大切だと思います。絵の具をちょっと使ってすぐゴミ箱なんてせずに、絵を描く楽しさを知って幸せなアートライフを送る方が少しでも増えると嬉しいです。

アートライフで人生を豊かに!

それではまた、別の記事でお会いしましょう!