パレットに付いたアクリル絵の具の落とし方について分かりやすく解説!

こんにちは、デザイナーでアーティストのマキチャリックスです!

絵を描くのは本当に楽しくて、つい時間を忘れてあっという間に「もうこんな時間!」なんてことは、絵を描くことが好きな人にとってはよくあることだと思います。

もちろん私もその一人で、どんどん絵が完成に近づいていくとワクワクして時間を忘れて集中してしまいます。

ついに完成!いい絵が描けたぞ!最高の瞬間ですよね。

しかし、描き終わった後は片付けをしなければいけません。自分のアトリエがある場合でも、使ったものを所定の場所にしまったり、筆やパレットを洗って乾かしたり、片付けは必要な作業です。

ここで直面するのが、パレットを洗うことの面倒くささではないでしょうか?

パレットを洗うのが好きっていう人もいるかもしれませんが、そんな人がいたら代わりに洗ってもらいたいくらい私も面倒くさいと思う一人です。

今回はそんな面倒なパレットに付いた絵の具汚れの落とし方について解説していきます!

ちょっとしたコツで、片付けが楽になりますので、ぜひ最後まで読んでみてください。

先ずはアクリル絵の具の特徴を知ろう!

アクリル絵の具は何で出来ているのか

多くの方が子供の頃よく学校で使っていた絵の具は水彩絵の具だと思います。水彩絵の具はパレットに付いて乾いた絵の具でも水洗いで割と簡単に落とすことができます。

これは水彩絵の具が水に溶ける水溶性という性質なので、乾いた後でも水で流せば落とせるわけです。

水彩絵の具は顔料とアラビアゴムで出来ているのに対して、アクリル絵の具は顔料とアクリル樹脂で出来ています。まあ、絵の具の名前の通りですね。

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ちなみによく間違えられるアクリルガッシュも顔料とアクリル樹脂で出来ていますが、その割合が違うので特徴も違ってきます。

 

速乾性で乾くと耐水性

アクリル絵の具は、水に溶かして使うことができます。油絵のように絵の具をそのまま使うこともできる便利な絵の具です。

水に溶かして使うことができるのですが、油絵などに比べると乾くのがとても早く速乾性という特徴があります。

しかも乾くと耐水性となり、水で溶かすことができなくなります。この特徴は絵を描く上ではとてもプラスな面が多くて、どんどん描き進めていくことができますし、重ね塗りも短時間で行うことができます。

また、乾くと非常に強い絵の具となるため絵の具がひび割れたりすることもほとんどありません。

イメージとして木工用ボンドが乾くと硬くなるような感じに近いかもしれません。ちなみに木工用ボンドの成分は酢酸ビニル樹脂ですので、同じではありません。

なぜアクリル絵の具は落ちにくいのか?

アクリル絵の具を使ったパレットはどうして絵の具が落ちにくくなってしまうのか?

これは正にアクリル絵の具が持つ特徴が原因です。

アクリル絵の具は顔料とアクリル樹脂で出来ていると解説しましたが、このアクリル樹脂が乾くと耐水性となり水で溶けなくなってしまいます。これは長所であり、短所にもなるわけです。

しかも速乾性なので、乾くのも速いわけですね。

パレットに絵の具を出したらある程度の時間そのままになることが多いと思うので、いざ絵が完成して、片付けになったタイミングでパレットの絵の具はすでに乾ききっているでしょう。

こうなると絵の具を落とすのが大変な作業になってしまいます。

ちなみに水で流しながら爪で落とすのは、爪の間に絵の具が入り込み後で痛くなったりするのでお勧めしません。

パレットのアクリル絵の具の落とし方

そんなパレットに付いたアクリル絵の具を落とすにはどのような方法があるでしょうか?

ちゃんと知識を持っていれば、爪の間に絵の具が入って痛い思いをする必要もありません。

 

水(お湯)で洗う

アクリル絵の具が乾く前でしたら、水で簡単に洗い流せます

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水よりもお湯の方が落としやすいと思います。

あまり無いかもしれませんが短時間で描く場合や、こまめに洗うことができる場合ですね。

例えば私が描く動物画の最後にスパッタリングという技法を使って絵の具を飛ばします。

その場合はプラスチック皿に少し多めの水を混ぜたアクリル絵の具を使用します。

何度か絵の具を飛ばしたら、すぐに洗うのでアクリル絵の具でも簡単に落とせます。

消しゴムで落とす

「消しゴムで絵の具が落ちるのか」と、疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが無理もありません。消しゴムは本来、鉛筆やシャープペンシルで書いた文字などを消すものですからね。

しかし、消しゴムで直接擦ることで起こる摩擦が、絵の具の粒子を剥がしやすくします。

消しゴムには様々な種類が販売されていますが、お勧めはSAKURAから発売されている「アーチ(Arch)」という消しゴムです。この消しゴムはメラミンスポンジを含んでいるので、一般的な消しゴムと比べてパレットに付いた汚れを落としやすいです。

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1つ画材セットに入れておくと良いかもしれません。

メラミンスポンジで落とす

メラミンスポンジはお掃除で使う方が多いと思いますが、パレットの汚れを落とすのに効果的です。

メラミンスポンジは乾拭きすると表面に傷を付けやすく、パレットに傷が付くと、その傷に絵の具が入り込んでさらに絵の具が落ちにくくなる恐れがあるので、必ず水で濡らして使いましょう。

また、洗濯用せっけんや重曹などを併用すると落としやすくなります。

あまり力を入れすぎると傷が付いてしまうので注意してください。

メラミンスポンジはホームセンターやダイソーなどでも売っているので簡単に手に入れることができます。

 

マジックリンで落とす

台所などで使う「マジックリンスプレー」をかけて数分置いておきます。

水を含ませた台所用スポンジもしくはメラミンスポンジで軽く擦りましょう。最後に水でしっかりすすいでおきましょう。

 

除光液で落とす

マニキュアを落とす除光液でアクリル絵の具を落とすことができます。

ティッシュやコットンに除光液を付けて軽く擦りましょう。

 

スーパークリーナーで落とす

「ターレンススーパークリーナー」は水性筆洗液で、絵の具で固まってしまった筆先を洗ったり、絵の具の汚れを落とす専用液です。

強力な洗浄力があります。布などに染み込ませて拭き取りましょう。

 

パレットクリーナーで落とす

「アクリルガッシュ パレットクリーナー」はターナーから発売されているパレットクリーナーで、パレットに染まり着いたアクリル絵の具のシミを落とします。

メーカーのサイトで11ml税別130円(記事制作時)で販売されていました。

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こちらも1本持っておくと便利だと思います。

パレットの種類と特徴

そもそもパレット自体も様々な種類があります。

小学校の時に揃える画材セットがプラスチック製のパレットであることが多いと思いますし、それをそのまま使っている方も少なくないのではないでしょうか。

ここではパレットの種類と特徴について紹介したいと思います。

プラスチックパレット

プラスチックパレットは小学校の図画工作の時間に使っていた方が多いと思います。

折りたたみ式のパレットは懐かしさを感じる方もいるかもしれません。

小さめのお皿のようなプラスチックパレットもあります。こちらはポスターなどを描く際の広いベタ面を塗るときに、多めに絵の具を出すのに適しています。

 

陶器パレット

陶器素材で作られたパレットもあります。

プラスチック製に比べて絵の具が染み込んだりせずに洗いやすい素材です。短所としてはプラスチック製に比べて重くなるのと、割れるリスクがあります。

以前私も使っていたことがありましたが、持ち運んだ際に画材道具入れの中で割ってしまったことがあります。

 

ペーパーパレット

ペーパーパレットはその名の通り、吸水性のない紙でできたパレットです。

私は紙パレットとプラスチック製の皿を併用して絵を描いています。ペーパーパレットはそもそも使った後に絵の具を洗う必要がなく、そのままゴミ箱に捨てることができます。

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アクリル絵の具を使う際はとても便利です。

これを使えば、今回の悩みは解決ではないでしょうか。

ただし、たくさんの絵の具を水で薄めて使うことはできないので、その場合は別のパレットが必要になります。私はプラスチック製の皿型パレットを使いますが、紙コップを使う方もいますね。

 

木製パレット

画家といえばベレー帽に木製パレットをイメージされる方も多いかもしれません。

昔はキャンバスの下地を塗って、その上に褐色系の色を塗ることが多かったので、実際にキャンバスの上に色をのせたイメージをしやすくするために木製のパレットを使う人が多かったようです。

現在は画材も多種多様になってきて、手入れが面倒な木製パレットを使う人も少なくなってきているようです。

アクリル絵の具が落ちにくくならないための予防策

アクリル絵の具は乾いたら耐水性になると解説してきました。裏を返せば乾かなくすれば落としやすいわけです。

そこでお勧めなのが、霧吹きで乾く前に濡らす方法です。

基本的には使う分だけパレットに絵の具を出すのが良いと思いますが、少し多めに使いたい混色などはその都度色を混ぜ合わせていたら色味も変わってしまうかもしれません。

100均などで売っているコンパクトタイプのスプレーに水を入れて用意しておくと、絵の具が乾く前に少し水をかけて常に湿った状態をキープできます。

この方法で何時間も絵の具をパレットに出したまま使うことができます。

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この方法は本当にお勧めです!

まとめ

パレットに付いて乾いてしまったアクリル絵の具が落としにくくなるのは、アクリル絵の具が持つ速乾性と、乾いたら耐水性になる特徴が原因でした。

つまり乾く前に洗ったり、乾かないように水で湿らせたりする方法でパレットに付いたアクリル絵の具を水やお湯で簡単に落とすことができます。

しかし、乾いて落としにくくなってしまったアクリル絵の具を落とす方法は以下の通りです。

消しゴムで落とす

SAKURAから発売されている「アーチ(Arch)」という消しゴムがお勧めです。

メラミンスポンジで落とす

乾拭きだとパレットの表面に傷がつきやすいので、必ず水で濡らして使いましょう。

マジックリンで落とす

台所にマジックリンスプレーがあれば、この方法もあります。

除光液で落とす

ティッシュやコットンに除光液を付けて軽く擦りましょう

スーパークリーナーで落とす

パレットだけでなく、筆などにも使える強力クリーナーです。

パレットクリーナーで落とす

パレットに染まり着いたアクリル絵の具のシミを落とします。コスパも良いです。

 

プラスチック製のパレットを使用していて、付いた絵の具を洗うのが大変だと感じている方はペーパーパレットを使ってみてください。

本当に楽ちんですよ!

ただ、パレットに絵の具のシミが付いていても、新たに出した絵の具の色が変わってしまったりすることは無いので安心してください。

例えば兄弟でお姉ちゃんやお兄ちゃんのお下がりで使う場合や、お友達のお子さんにあげる場合などはなるべく綺麗にして渡してあげたいですよね。

それではまた、別の記事でお会いしましょう!

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