時間がたったアクリル絵の具と水彩絵の具の落とし方を実践して解説!

こんにちは、デザイナーでアーティストのマキチャリックスです!

アクリル絵の具や水彩絵の具などで絵を描いていて、気がつかない間に手に絵の具が付いてしまったり、服に絵の具が付いていたりなんてことはありませんか?

ついつい絵を描くことに集中していると起こりがちなことだと思います。

私はほとんどの場合、絵を描いていると知らない間に絵の具が手に付いています(笑)

先日は手に付いた絵の具が、さらに描いている絵にも付いてしまって一瞬焦りましたが、絵の場合は落とすというよりは付いた絵の具の上から塗り重ねて修正する方が良いと思います。

アクリルガッシュであれば顔料の割合が多いため、慎重に削れば落とすこともできますね。

今回は付いてしまった絵の具を落とす方法について実際にデモンストレーションを交えて解説していきたいと思います。

アクリル絵の具と水彩絵の具の特徴

絵の具の種類によって落とし方が変わる

絵の具の落とし方は絵の具の種類や乾く前か後か、どこに付いた絵の具を落とすのかによって最適な方法が変わります。

先ずはアクリル絵の具と水彩絵の具の特徴を理解して、最適な落とし方を知っておきましょう。

大前提として絵の具を服や壁などに付けてしまわないように気をつけることが大切です。絵を描く時は大切な服ではなく汚れても良い着古した服や作業着、エプロンをするなどの事前の対策をしたり、壁や机の上などに新聞を敷いておいたり、汚れたら困るものはどかしておく、養生するなどしておくと安心です。

私が絵を描く時のユニフォームとして作業着を使っています。作業着はワークマンなどで割と安価なものもありますのでおすすめです。

汚れても返ってそれが味になると私は思っています。

ただ、この記事を読んでいただいているということは、既に絵の具が服や壁に付いてしまってお困りの方もいらっしゃると思いますので解説していきます。

アクリル絵の具の特徴

アクリル絵の具は顔料にバインダー(展色剤)としてアクリル樹脂が使われており、アクリル樹脂の割合が多く透明性の高いのがアクリル絵の具です。逆に顔料の割合が高く、不透明な特徴を持つのがアクリルガッシュになります。どちらも顔料とアクリル樹脂でできていて、特にアクリル絵の具はアクリル樹脂が多いため耐久性に優れています。どちらも水で薄めて使うことができますが、乾くと耐水性になるので乾く前と乾いた後では絵の具の落としやすさはかなり違ってきます。

アクリル絵の具を使っている方はわかると思いますが、結構早く乾くので注意が必要です。速乾性がアクリル絵の具の特徴でもありますが、私はパレットに出した絵の具が乾いてしまうと困るので、霧吹きなどで乾く前に水をかけて乾かさないようにしています。

100均などで売っているスプレーに水を入れて使うと便利です。

水彩絵の具の特徴

水彩絵の具も顔料にバインダーを混ぜて作られている訳ですが、アクリル絵の具がアクリル樹脂であるのに対して、水彩絵の具はアラビアゴムが使われています。水彩絵の具にも種類があり、透明水彩と半透明水彩、不透明水彩(ガッシュ)があります。

小学校の時によく使われている水彩絵の具は半透明水彩なのですね。半透明水彩は水を多めに混ぜれば透明水彩に、少なくすれば不透明水彩に近い使い方ができます。

水彩絵の具は乾いても水溶性なので汚れても簡単に落とせるのではないかと思われるかもしれませんが、紙や服の繊維に定着する性質を持っているため意外と簡単には落とせないのです。

子供の頃は服を汚しても気にしていませんでしたが、洗濯する母は大変だったかもしれませんね。保育園に通っていた頃はスモッグという汚れても良い服を着てお絵描きしていた覚えがありますが、今でもあるのでしょうか?

水彩絵の具の落とし方

水彩絵の具が乾く前の場合

水彩絵の具は乾く前であれば比較的落としやすいのでぬるま湯でもみ洗いしましょう。

写真は水彩絵の具を50%くらいの水で溶いて染み込ませた布を直ぐに洗った様子です。

綺麗に落とせているのがわかります。

水彩絵の具が服に付いて時間がたった場合

40〜50度くらいの少し熱めのお湯に汚れた部分を浸して、アルカリ石鹸と歯ブラシで擦りましょう。歯ブラシは硬めの方が良いですが、あまりゴシゴシしすぎると生地を痛めてしまう恐れがあるので注意してください。汚れの落ち具合を見ながら繰り返して水ですすぎます。

写真は水彩絵の具を50%くらいの水で溶いて染み込ませた布を2日後に洗った様子です。

綺麗に落とせているのがわかります。

水彩絵の具が壁紙に付いて時間がたった場合

子どもが絵の具で壁に描いてしまった!これは悲劇ですね。

絵の具を使わせる時は目を離さないようにしましょう。

水彩絵の具は水溶性ですが、紙に描いた水彩絵の具を全て取り除くことはできないのと同じで、壁紙も紙ですので特殊な加工が施されていない限り難しいでしょう。特に時間がたった場合は完璧に落とすことはできません。

とはいえ、少しでも落としたいと思いますよね。

先ず、歯ブラシに水を付けて絵の具を擦ります。その後乾拭きします。汚れがひどい場合は歯ブラシに洗濯用せっけんと水を付けて擦ります。その後乾拭きします。

あまり強く擦りすぎると壁紙が傷んでしまう恐れがありますので注意が必要です。

写真は水彩絵の具を塗って2日たった壁紙です。やはり完璧には落ちませんね。

乾く前に落とすのが大切ですね。

アクリル絵の具の落とし方

アクリル絵の具が乾く前の場合

アクリル絵の具が乾く前の場合はとにかく早く水に付けましょう。アクリル絵の具は乾く前でしたら水に溶けますが、乾くと耐水性になるので一気に落としにくくなります。床や机の上なども汚れたらすぐに拭き取ればキレイに取ることができます。

 

アクリル絵の具が服に付いて時間がたった場合

アクリル絵の具が服に付いて時間がたってしまった場合は、乾くと耐水性になる特徴から完全に落とすことは難しいです。絵の具の付き方や色などにもよりますが、以下の手順でやってみてください。

先ず40〜50度の少し熱めのお湯に洗濯用の粉末洗剤を溶かします。服をしばらく浸しておきましょう。絵の具の付いた場所をもみ洗いします。その際、汚れが広がらないように注意してください。その後、新しいお湯に変えて酸素系漂白剤を入れます。1時間ほど付け置きしてから、キレイな水ですすぎます。

写真はアクリル絵の具を50%の水で溶いて2日たった布を洗った様子です。

完全には落としきれないのがわかります。

また、アクリル絵の具にはアルコールも効果的です。消毒用アルコール(イソプロピルアルコール)は薬局やホームセンターなどでも購入することができます。布に染み込ませて汚れに押し当てて絵の具が柔らかくなったら広げないように注意して拭き取ります。

アクリル絵の具が壁紙に付いて時間がたった場合

アクリル絵の具が乾いてしまったら、完全に落とすことは難しいですが、オイル系で落としてみましょう。

クレンジングオイルを歯ブラシに付けて汚れを擦ります。クレンジングオイルを拭き取ります。何度か繰り返して、固く絞った雑巾で拭き取ります。

完璧には落とせませんが、ある程度落とすことができました。

ターレンススーパークリーナーを使って落とす

時間がたった場合や強力な汚れに適したクリーナーも販売されています。「ターレンススーパークリーナー」は強力な洗浄力があり、安全な水溶性で非石油系のクリーナーです。アクリル絵の具だけでなく、油絵の具などにも使えます。筆や、パレット、服に付いた絵の具を落とすことのできるクリーナーですが、本当に強力なので筆を長時間付けたままにしておくと穂先が溶けてしまうこともあります。絵の具で穂先が固まってしまった場合でも、付け置きは一晩までにしましょう。

筆の穂先が固まらないように筆はすぐに洗うようにしましょう。

まとめ

これまで紹介してきた通り、

先ずは汚れても良い服装やエプロンなどを使用して、対策しましょう。絵の具がついてしまったらスピード勝負です。

少しでも早く水に付けて絵の具が乾くのを防ぎましょう。

乾いてしまったら、完全に落とすことは難しくなります。

水彩絵の具の場合

40〜50度くらいの少し熱めのお湯に汚れた部分を浸す。

アルカリ石鹸と歯ブラシで擦る。

汚れの落ち具合を見ながら繰り返す。

水ですすぐ。

アクリル絵の具の場合

40〜50度の少し熱めのお湯に洗濯用の粉末洗剤を溶かしてしばらく浸しておく。

絵の具の付いた場所をもみ洗いする。

新しいお湯に変えて酸素系漂白剤を入れ1時間ほど付け置きする。

水ですすぐ。

最終手段はクリーニングに出しましょう

それでも落とせない場合はクリーニングに出しましょう。その際はどんな絵の具で汚れてしまったのかも伝えておくと良いでしょう。

間違っても汚れたら困るような大切な服で絵を描かない方が良いですね。

せっかく楽しい絵画制作も、大切な服が汚れてしまったのでは楽しくなくなっちゃうかもしれませんからね。

それではまた、別の記事でお会いしましょう!

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